ガラスで未来を創造する。

中島硝子工業株式会社

衝撃によるガラスの割れ方

ガラスは素材の特性上、強い力を受けると割れてしまいますが、衝撃が原因で割れる場合は衝突物の形状、材質や速度によって概ね2種類の割れ方に分けられます。

①曲げ破壊

曲げ破壊はガラスが受けた荷重によってガラスが撓み、撓み量(によって生じる内部応力)が限界に達することで割れる現象です。衝突時、ガラスとの接触面積が大きく、比較的衝突速度が遅い破壊の場合、曲げ破壊になりやすくなります。強風や人体、サッカーボールの衝突といった原因の場合は概ねこちらの割れ方になります。また、家庭用の窓ガラスとしてよく用いられる3mm~5mm程度のガラスでは、剛性が低く撓みを生じやすい為、鋼球落下による破壊試験ではほぼ曲げ破壊になります。

曲げ破壊とはガラスの変形が原因で割れる現象です。

受けた衝撃によりガラス全体が撓み、撓みの内側(加撃面)には圧縮応力、撓みの外側(裏面側)には引張応力が生じる。撓み量が大きくなり、裏面側の引張応力がガラスの強度を超えるとガラスが破壊されます。通常、割れの起点を中心に放射状に端部までヒビ割れを生じ、全体が割れます。厚みの薄い合わせガラスでは、裏面側のガラスだけが割れることもあります。

同心円曲げ試験を行って割れたガラス。起点から端部まで放射状に伸びた割れが確認出来ます。 同心円曲げ試験は円筒形の支持治具上に設置したガラスに円筒形の負荷治具で荷重を加える試験で、支持治具、負荷治具は中心を揃えて設置します。

②ヘルツ破壊

ヘルツ破壊は接触面積が小さく硬い物体が高速でガラスに衝突した場合に起こる現象です。衝突により生じた衝撃は応力波としてガラス内部を伝搬し、この応力波がガラスの強度を超える場合にヘルツ破壊となります。曲げ破壊では多くの場合加撃点からガラスの端部まで割れを生じますが、ヘルツ破壊の場合局所的に穴が空き、全体的な破壊を生じないこともあります。一般的にヘルツ破壊により生じる穴は加撃面から裏面に向けて穴が大きくなる円錐形状となり、ヘルツコーンと呼ばれます。また、ヘルツコーンにより生じる裏面側の穴は衝突速度が速い程小さくなります。しかし、現実ではガラスにヘルツコーンが生じたからといって必ずしも加撃物が停止するわけではないので、残りの勢いでヘルツコーンが破壊されたり、ヘルツ破壊の後に曲げ破壊を生じて全体が割れる場合もあります。

ヘルツ破壊では衝突点を中心にヘルツコーンという円錐状の割れが生じます

受けた衝撃によりガラスに局所的な変形(凹み)が生じ、概ねこの凹み面と直交する方向に応力波が伝搬します。これがガラスの強度を超えている場合に円錐形状の割れを生じます。

ヘルツコーンが生じたガラス  ヘルツコーンと破片


※窓ガラスが割れる場合衝突物からの荷重だけでなく、窓枠からガラスに加わる荷重やガラスの温度分布等さまざまな要因が影響するため、必ずしも上記内容のような割れ方になるとは限りません。