ガラスで未来を創造する。

中島硝子工業株式会社

熱割れ現象

部分的な熱膨張

耐熱ガラス製でないガラスコップに熱湯を注ぐと割れることがあります。これは熱湯がかかった瞬間、かかった部分(表面)は瞬時に高温になり膨張する一方で、直接熱湯がかかってない周囲やガラスの裏面は温度が伝わるまで時間がかかるため、熱湯がかかった瞬間は温度上昇も膨張もしてない通常の状態でガラス面内が不均一な状態になるためです。この状態では膨張しようとする高温部を周囲の低温部が拘束することで低温部(ガラスの周囲)を押し広げる力(応力)が発生しています。この力は低温部と高温部の温度差が大きい程強くなり、ガラスの許容応力を超えると割れが発生します。

窓ガラスに温度差が生じる要因

このような温度差による割れの危険があるのは窓ガラスも同様です。窓ガラスは直射日光が当たるとそのエネルギーの一部を吸収することで温度が上昇します。しかしガラスの周囲はサッシの中で直射日光があたらない状態にあり、またサッシや躯体からの放熱も影響して周囲(低温)と中央部(高温)に温度差が生じます。この温度差が原因で窓ガラスが割れることを熱割れと呼びます。良く晴れた冬季の午前中は「強い日差し」「低いサッシ・躯体温度」「室内外の温度差」という条件が厳しくなり、熱割れが起きやすくなります。その他にもガラスの設置環境によっては熱割れが起きやすくなりますので、そういった条件について説明いたします。

♦ガラスの熱割れを考えるとき注意すべきポイント


•熱線吸収·熱線反射ガラス これら吸収率の高いガラスは直射日光によりガラスの温度が上がりやすく、透明ガラスより熱割れが起きやすくなります。
•シールや遮熱フィルム シールや遮熱フィルムを貼ると貼った部分の吸収率が上がり、ガラス温度が上がりやすく、熱割れが起きやすくなります。
•網入り、線入りガラス 網入りガラスや線入りガラスの金属はガラスより温度が上昇しやすい上に熱膨張率もガラスと異なるので、熱割れが起きやすくなります。
•厚いガラス ガラスを厚くすることは風や重力といった外力に対しては有効です。しかし熱割れに関しては厚くなると日射熱の吸収率が上がり、温度が上がりやすくなるので熱割れが起きやすくなります。
•カーテンやブラインド ガラスのそばにカーテンやブラインドがあると、カーテンやブラインドからの反射によってガラスが吸収する熱が増えるとともに、ガラスとカーテンの間に熱がこもり、ガラスの温度が上がりやすくなり、熱割れが起きやすくなります。
•冷暖房器具 冷暖房器具からの風が直接ガラスに当たるように設置すると、ガラスの室内外の温度差が大きくなりやすく、また面内の温度が不均一になることで熱割れが起きやすくなります。
•木や電柱の陰 ガラス面に影がかかると温度分布が一様でなくなり、影がない場合と比較して熱割れが起きやすくなります。
•ガラスの端部品質 ガラスの端部にヒビや欠けがあると大幅な強度低下の要因となり、わずかな温度差でも簡単に熱割れが発生します。
•ガラスの大きさ ガラス内に生じた温度差が同じでもサイズが大きくなると寸法としての膨張量が大きくなり、発生する応力が大きくなるので大きい程熱割れが起きやすくなります。
•サッシの色 熱を吸収しやすい濃色系に対して淡色系は熱の吸収が少なく、サッシ温度が上がりにくいので熱割れが起きやすくなります。
•ガラスの固定方法 サッシへのガラスの固定方法による熱割れへの影響は、サッシとガラスの温度条件により変わる為断言は出来ませんが、検討する上ではサッシとの断熱性が高い方が良いとされます。

などの条件が熱割れに影響を与えます。特にトップライトでは「常に直射日光を受ける」、「多くの場合網入りガラスが必要」、「室内のガラス付近(天井)が熱だまりになることでガラスが高温になりやすい」、という厳しい条件が重なるため十分な熱割れ検討が必要となります。