ガラスで未来を創造する。

中島硝子工業株式会社

ガス入り複層ガラスのガス濃度

◆断熱ガスの注入方法

 複層ガラスのガス注入工程では一般的に上下のスペーサーに穴をあけた複層ガラスを立て、下側の穴からガスを注入し上側の穴から複層ガラス内の空気を抜く方法で製造されます。この方法は空気より重い断熱ガスを簡易的な設備で注入することが出来るためガス入り複層ガラスの製造方法として弊社をはじめ一般的に行われています。

◆ガスの濃度断熱性能

 上記の製造方法は複層ガラス内のガス濃度が高まるにつれ空気だけを効率的に排出することが困難となり、複層ガラス内のガス濃度を100%にすることは困難となります。排出ラインにガス濃度センサーを取り付け注入量とガス濃度を測定した値は以下のグラフのようになります。


  
複層ガラスへのガス注入量と濃度変化は比例せず、100%に近くなるほどロスが増えます

 ガスの注入量を増やせば100%にかなり近い値に達することがわかりますが、同時にガス濃度90%を超えたあたりから注入ロスがだんだん大きくなることも見て取れます。これに対してガスの濃度に対する断熱性能は以下のグラフのように直線的に変化するので、ガス濃度を100%に近づける程費用対効果が悪化します。(注入量の増加は同時に作業時間の増加となり複合的にコスト高となります)

  
複層ガラスのガス濃度はガスの断熱性と比例しますが、ガラス全体の断熱性に比例するわけではありません。

 これらのことから当社ではコストと性能のバランスを考慮し排気ラインのガス濃度が90%を超える注入量を目安に製造し、性能値シミュレーションでもガス濃度90%で計算を行っています。

(通常複層ガラス内のガス濃度は排気ラインのガス濃度より高濃度になります。)

※上記のデータは製造上の参考値であり製品の性能を保障するものではありません。